身長差15センチの関係 3

香織が戻ってくる。

「どう?」
「昼いっぱいまでは、ギリギリもちそうだって」

「そう」

表情には出さないようにして、ほっとする鈴璃。
昼まで続けられれば、たぶん大丈夫。

「一応連絡する?」
「……誰に?」

「ふふふ、具体的に訊いて欲しいの?」

香織は、鈴璃とおそろいの衣装でにやける。

「それは……」

鈴璃は、めずらしく負けて黙る。
いや、この話題で香織に勝ったことはない。

香織は、鈴璃の背中を押して言った。

「ちょっとだけ休憩させてあげるから、『早くこないと、なくなっちゃうよー』って言ってきなさい」



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