身長差15センチの関係 3

「今、どこにいるの?」
「外、下駄箱の前」

鈴璃は、窓から外を見る。

ここからも校舎の出入り口にある下駄箱の一部が見える。

「え?お姉ちゃんのいるところ分かったの?あそこ?」

携帯から聞こえる、弟と母の話声。

同時、鈴璃は、下駄箱前からこちらを指差す弟の姿を見つけた。

「あれ?お姉ちゃん窓のところにいる?」

互いに目があう。

「うん、こっちからも高志が見えてる」
「お父さん、お母さん、お姉ちゃんいたよ」

両親に報告しながら手を振ってくる弟。
鈴璃も小さく手を振り返した。

「あのね、お店に来るならすぐに来て。朝から満員でお昼までで材料がなくなりそうなの」

「そうなのっ」

急がなきゃっ、という弟。

両親に慌てて話を伝える姿が、窓越しに見えて鈴璃をくすぐる。

「へえ、あれが高志君か」

と、いつの間にか香織が隣に立っていた。

「あれが鈴璃さんの弟くん?」
「どこどこ?」

そして、クラスメイト達。

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