身長差15センチの関係 3

「あの小さい子?」
「かわいー」

店を放棄してウエイトレスがどんどん集まる。

皆が弟を見て手をふりはじめるので、窓の向こうで弟がびっくりする。

「お、お姉ちゃん、何?」
「なんでもない、お店で待ってるから」

鈴璃は、携帯をたたむ。
そして、周囲のクラスメイト達に、

「店に戻りなさいっ」

ちょっと怒る。

「はーい」

笑って戻っていくクラスメイト。
最後に残った香織が、鈴璃の手をとって言う。

「鈴璃も、安心したら店に戻って」
「言われなくてもそうするわ」

鈴璃は、カツカツ歩きで教室に入る。
香織は、鈴璃の後ろからウエイトレス達に言った。

「さあ、楽しみができたところで、さらにはりきっていこー」

「おー」

店が、いっそう活気づいた。

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