身長差15センチの関係 3

「そ、そう?」

思わず口元に笑みが浮かぶ鈴璃。

それがあまり大きくならないように口をきゅっと閉めなおして、鈴璃は家族を案内する。

「こちらの席にどうぞ」
「うん」

鈴璃のすぐ後をついて歩く弟。
そして父母。

それを見守るクラスメイト達は、
緊張した鈴璃とちびちびした弟のならびにニヤニヤ。

そして鈴璃の緊張がいい具合に伝わって、
弟君がやたらに可愛く見えてくる。

そこいらですれ違えばただの小さな男の子なんだろうけど、今この場だとちょっかいをだしたくなる不思議。

「わ、私が注文とりにいってもいいかな?」
「それは鈴璃が泣くでしょう」

こそこそと会話。

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