身長差15センチの関係 3

「そうか」

弟の目が輝く。

鈴璃が思ったとおり、
怖いお化け屋敷を期待していたようだ。

鈴璃は微笑む。
こうして弟とお化け屋敷に向うのはいつ以来か?

振り返って、昨年の文化祭でもこうして二人で入ったなと思い出す。

あの時の弟は小学生だった。

今と同じように目を輝かせていて、わくわくしていた。

今年は中学生。
並んだ感じ、弟の背はほとんど伸びていない。

弟には悪いが、
その変化のなさが鈴璃には嬉しい。

昨年から今日まで、ずっとふたりで並んで歩いてきた気分になる。

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