身長差15センチの関係 3

「どういう意味ですっ?」
「そういう意味だ、分かるだろう」  

小さな高志がさらに小さい。
それが雨の中をよちよち歩く。

心配を通り越して、心労な光景だ。
同時に、弓倉のツボをど真ん中だ。

「はははっ、くくくっ、あはははっ」

「先生、そういう笑いかたしないでください。とっても嫌です」

「うむ」

弓倉は、笑うのだけはやめた。
だけど頭の中の想像は不可侵だ。

高志には止めることも、覗くこともできない。

< 13 / 179 >

この作品をシェア

pagetop