身長差15センチの関係 3
これが新しく客が入るという合図なのだろう。
「どうぞ」
幽霊にうながされて、鈴璃は弟と暗闇に入る。
「暗いから気をつけてね」
「うん」
弟と並んでゆっくり進む鈴璃。
少し行くと暗幕で作られた曲がり角。
先を覗き込むようにして曲がると、荒れた墓場を醸した通路が不安定な明かり下で続いていた。
墓石や枯れ木、破れ提灯。
ひとつひとつ丁寧に作られたセットが、通路の両側に並び、子供だましではない恐怖の空気を生んでいる。
自然に息をのんだ鈴璃。
対して、弟は小さな声で喜ぶ。
「すごい」