身長差15センチの関係 3

これが新しく客が入るという合図なのだろう。

「どうぞ」

幽霊にうながされて、鈴璃は弟と暗闇に入る。

「暗いから気をつけてね」
「うん」

弟と並んでゆっくり進む鈴璃。
少し行くと暗幕で作られた曲がり角。

先を覗き込むようにして曲がると、荒れた墓場を醸した通路が不安定な明かり下で続いていた。

墓石や枯れ木、破れ提灯。

ひとつひとつ丁寧に作られたセットが、通路の両側に並び、子供だましではない恐怖の空気を生んでいる。

自然に息をのんだ鈴璃。
対して、弟は小さな声で喜ぶ。

「すごい」


< 130 / 179 >

この作品をシェア

pagetop