身長差15センチの関係 3

弟は、お化けとか幽霊をあまり怖がらない。

テレビのホラーや階段番組を、
わくわくして笑いながら見られるタイプだ。

墓石のセットを指差していう。

「これ、お姉ちゃんの学校の人が作ったの?」
「そうよ」

「すごいねぇ」

弟は、感心して通路を進む。
自然、弟が鈴璃を先導するかたちになった。

「あそこに何かあるよ」
「井戸?」

通路の先には、もちろん生徒の手作りであるが、つるべを垂らした井戸があった。

作り的に、立ち止まって中を覗けということだろう。

弟は、素直に従って井戸の前に立った。
鈴璃は、弟の背中ごしに井戸の中を見る。

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