身長差15センチの関係 3

と、

くるくるくる、がしゃっ。

井戸のつるべがいきなり巻き上がり、井戸の中から髪をふり乱した生首が目の前に出てきた。

「きゃっ」

鈴璃は、思わず弟の肩を両手でつかんで目を閉じる。

弟は、一瞬だけ条件反射で驚いたようだが、すぐに生首は人形だと分かり笑う。

「あはは、お姉ちゃん大丈夫だよ。偽者だよ」

目を開ける鈴璃。
見れば、確かに作りものだった。

いや、本物のわけがないのだが、それでも怖かった。

もう少しで、本気で弟に抱きつくところだった。

弟は、自分の肩に乗っている鈴璃の手を見て言う。

「お姉ちゃん、怖いなら、そうやって僕につかまって歩いてもいいよ」

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