身長差15センチの関係 3

「……え」

魅力あふれる誘い。

鈴璃が返事につまると、
弟はそれも些細なことと先に歩き出す。

「じゃ、いくよ」
「う、うん」

弟の後に続く鈴璃。

指先で、弟の服の背をちまっとつまんでついていく。

「お姉ちゃん、ここ下がぐらぐらするよ気をつけて」

言って、床を踏んで見せる弟。

床には細長い板が並べてあって、踏まれると小さく傾き、どこからかカラカラと音が鳴る。

鈴璃は、弟に習って慎重に板を踏む。

カラカラカラ……。
カラカラカラ……。

夜道を歩く下駄の音のイメージだろうか?

と、床に注意を払っていると、今度は天井から逆さ吊りの人形が落ちて来た。

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