身長差15センチの関係 3

「でも、少し爪が食い込んでるし」
「後で撫でてやる、文句を言うな」

「じゃあ、我慢します」
「うむ」

「それで、先生」

高志は、弓倉の手の震えを意識する。

響く雨音。
また遠くで雷。

高志は、弓倉がもっと掴みやすいように手を近づける。

そして訊ねた。

「先生は、雷が怖いんですね?」
「笑ってもいいぞ」

答えた弓倉は爪だけは浮かし、さらに強く高志の手を握った。
< 16 / 179 >

この作品をシェア

pagetop