身長差15センチの関係 3
湯船につかるのもそこそこに、
シャンプーを手につけ、髪を洗い始める。

髪の中で泡立つシャンプー。

泡が額にまで届き、鈴璃は自然に目を閉じた。

『ねえ、お姉ちゃん、雷って怖い?』

自分が帰る少し前、
雨があがった間に帰っていた弟。

顔を見るなり、
そんなことを訊いてきた。

今まで受けたことのない問い。
そんな素振りを弟に見せたことはない。

また、弟が雷を怖がっているところも見たことない。

そんな妙な質問をする弟の手に見えた、
誰かの爪痕。

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