身長差15センチの関係 3

「いるわよ」

鈴璃がいつもと変わらぬ声で答えると、高志は窓越しでも分かるほど、ほっと安堵の息をついた。

「良かった~」

暗闇にとり残された鈴璃を心配して、ライトをつかんで一番に様子を見にきてくれたらしい。

「そこ真っ暗でしょう?大丈夫?」

ついでに言うと、高志の頭には停電で怯える姉の姿があったよう。

こういうピンチのとき、鈴璃の弟は男の子として頑張ろうとする傾向がある。

「大丈夫だけど灯りを入れて。そこからだと暗い」

その期待にどう答えるかは置いておいて、鈴璃は冷静に返答した。
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