身長差15センチの関係 3
「もう目を開けていいよ」
「着替え終わった?」
高志は、目を開ける前に確認する。
「終った」
「ホントに?」
注意深い高志。
鈴璃は高志の正面に立ち、姉の声で言う。
「騙してどうなるの?本当に着替えたから目を開けなさい」
「う、うん」
鈴璃の前でおそるそる目蓋をあげていく高志。
半分ほど開いた目で姉が着替え終わっているのを見ると、ほおっと息をついた。
同時に、鈴璃も小さく息をつく。
この間まで小学生だった弟。
背丈と顔つきはそれほど変わっていないのに、
知らないうちにいらぬ遠慮を身につけていく。