身長差15センチの関係 3
雷の季節3
弓倉のアパート。
弓倉が帰宅した後、落雷が再開した。
そして、停電。
近年では珍しく、なかなか回復しない。
暗闇の中で弓倉はペタンと正座していた。
ひとりなので、遠慮なく雷がなるたびにビクビクしている。
「ふん、暗くて誰にも見られないのが好都合だ」
強がってみる。
昼間、高志につけた爪跡は撫でても消えなかったが大丈夫だろうか?
素で固まってしまったので力加減ができなかった。
反省しつつ、やはりあんな自分の姿を見た少年が悪いことにする。
家族の誰かに気づかれたときは、
最悪、雷嫌いの教師に組み付かれたところまでバラしてくれればいい。
それ以上、深く勘ぐってくるものはいないだろう。
……たぶん。
「いたら、しばらく出入り禁止だ。少年」