身長差15センチの関係 3
1-2 鈴璃のお友達
小島香織も高校の2年生である。
役職はない。
ないから、一番のお気に入りである草壁鈴璃にくっついて生徒会室にいた。
そして、その鈴璃から渡された原稿と仕事。
香織は原稿を抱えて言ってみた。
「私にやらせる気?」
「手伝うつもりでそこにいるんでしょう?」
思ったとおり返ってくる鈴璃の冷えた声。
「違うって、言ったら?」
「私が自分で渡しに行く」
「それだったら、ついていってあげる」
そこまでふざけてみると、眼鏡のむこうからキロリと睨まれた。
「ひとりで行って来て、すぐに」
「はいはい」
予定通り。
笑う、香織。
香織にとって、このやりとりが面白く、鈴璃の少し怒った顔がまた可愛い。