身長差15センチの関係 3

「このままでいいから、焦げないように底のほうもかき混ぜて」

「こう?」
「うん」

ぐるぐるぐる。
まわるスープ。

肩と肩がふれ、鈴璃は高志を見るが、高志は気にせずスープの方を見つめている。

「うちは、お姉ちゃんがいてよかったね」
「どうして?」

「おいしいご飯作れるから」

言われて嬉しく、

「でも、お姉ちゃんも忙しいから、僕も何か作れるようになったほうがいいよね」

気づかわれて、

弟には、本格的に料理を教えるのはやめようと、口に出さない考えが浮かぶ。

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