身長差15センチの関係 3

その全てをチェックする鈴璃。

こちらも約束の時間がくれば、
自称『働きすぎ鈴璃のための管理者』香織が、

どこであろうと乗り込んできて、
他の生徒会執行部員のすがる手を払って、

自分のクラスの出し物のために有無を言わせず連れ去りにくる。

「約束の時間ですので鈴璃は頂いていきまーす。今日は返しませーん」

「待てっ、あと30分、いや15分っ」

「待てませーん、聞こえませーん、また明日ーっ」

その手際、まさに人さらい。

鈴璃の腰を抱き、鈴璃の荷物をかき集め、執行部のバリケードが出来れば、

生徒会長と香織の両方のサインが入った『鈴璃に関するスケジュール同意書』を盾にして、廊下を走り去っていく。

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