白い月〜destiny〜

木枯らし

今日僕はかなり早く起きて念入りに洗車をした。

久しぶりの運転だけど 大丈夫かな。

父親が庭に出てきた。

「なんだ優。デートか?」

「いや…別に。」

寒いからか それともそっけない僕の答えにがっかりしたのか 父親は背中を丸めてすぐに戻って行った。

悪いとは思ったが 今に始まった事じゃない。


美月は今頃弁当を作ってるだろうか。

今日は僕の車に美月を乗せてドライヴだ。

自然と頬がゆるむ。

僕達は何度となく会っていたが なかなか休みが合わないので 朝から一日一緒なのは初めてだった。


< 126 / 374 >

この作品をシェア

pagetop