白い月〜destiny〜
アナウンスが流れ 電車はゆっくりと停車した。


高いビルなどは見当たらないが そこそこ開けた街のようだ。

電車を降りると 僕はキョロキョロと回りを見ながら宮川の後を着いていった。


「お前 出身は?」

「今の両親に引き取られる前は東北だったよ。多分もうそろそろ雪が降ってるんじゃないかな。」

「そうか。そのわりにはお前…寒がりだな。」

「ほっといてくれ。寒がりに出身は関係ないだろ。」

「そりゃそうだ。」


宮川は笑うと 少し間をおいて言った。

「昨日は悪かったな。」

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