白い月〜destiny〜
今度は急な上り坂を歩いて行く。


宮川は急に思い出し笑いをした。

「いや 中学生の時にさ。美月を自転車の後ろに乗せてこの坂を下ったんだけどさ。拾った自転車だからブレーキが利かなくて…あれはさすがに死んだと思ったよ。」

「へぇ…随分と仲が良かったんだな。」

僕はひそかにヤキモチを妬いていた。

宮川は僕の知らない美月を知っている。


いや…美月の事を僕はほとんど知らないんだ。
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