白い月〜destiny〜
私は子供の頃 近所のおばさん達が話しているのを聞いて 自分が捨て子だという事は知っていたので さほど衝撃は受けなかった。

私の中の孤独が 少しだけ その深さを増しただけだ。


孤児院の先生はとても良くしてくれたし
ほかの子供達とも兄弟のように育ったから ドラマや映画のようにかわいそうな生活をしていたわけではない。

「かわいそうな子」というレッテルを貼られていただけ。

背中に抱きついたり 膝の上に乗って甘えたりする相手がいなかっただけ。


ちょっと…。

家族という暖かい響きに憧れていただけ。

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