白い月〜destiny〜
坂を上りきると木造の教会らしき建物に行き着いた。

古い鉄製の門の横に木でできた看板が貼り付けてあり 今にも消えそうな文字が書かれていた。


『心の家』


「ここは…教…会?」

「そう。教会だ。そしてここには親のいない子供達が暮らしている。」

「親がいないって…孤児院ってこと?」

「まあな。もっとも今は孤児院とは呼ばないらしいが。ここは公的な施設じゃなくて神父とその妻が慈善でやっているんだ。」

「ふーん…。」


僕にはさっぱりわけがわからなかった。

ここが孤児の面倒を見ている教会なのはわかったけど…。

それがいったい…。


僕はハッとなって宮川を見た。


「まさか…。」
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