白い月〜destiny〜
「さぁさぁ せっかく来たんだから中に入ってお茶でも飲んでいきなさい。そちらの方もどうぞ。」

そう言って先生は中へ入って行った。


そのすきに宮川が僕の耳元でこっそり言った。

「千鶴先生はさ 優しそうに見えるけど昔はマジ怖かったんだぜ。うちの親父よりもな。」

「あんなに穏やかそうなのに?」

「確かに普段は優しいよ。でも俺達が悪さをやらかした時なんかは…それはもう!」

「へぇ…。」

宮川だったら いろんな悪さをやらかしてそうだよな。

「だけどさ。千鶴先生は間違った事は言わない。尊敬できる人だよ。」

教会の中から先生の呼ぶ声が聞こえた。

「涼太君!何してるの?早くいらっしゃい!」

「はっ はい!今行きます!」

宮川は慌てて走って行った。


こんな宮川はめったに見られないな。

僕は少しだけ笑うことができた…。

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