白い月〜destiny〜
「千鶴先生…先生はどうしてその事を?」

宮川がかすれた声で聞いた。


先生はハーブティーを一口飲み カップをソーサーに置くと答えた。

「昨日ね。美月ちゃんが来たから。」

「美月が…?ここへ?」

「そんなに驚かなくてもいいじゃないの。今までだって 美月ちゃんは時々ここへ来て 子供達の面倒を見てくれていたんだから。でも…昨日はちょっと様子が違っていたわ。」

千鶴先生はゆっくりと話を続けた。

「なんて言うか…嬉しそうだったり。かと思えば寂しそうにしたり。考え込んでみたり…。あぁ 美月ちゃんには好きな人がいるのかなって思った。」


好きな人が…。


まだこんな僕を好きでいてくれるのだろうか。


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