白い月〜destiny〜
「昔…俺が小学一年生だった時 親父にひどくしかられてさ。一人で家を飛び出してこの公園に来たんだ。そしてあのブランコに乗ってメソメソ泣いてたら…。」

「泣いてたら?」

「美月が来た。っていうか現れた。いつの間にか俺の横に立っててさ。どうしたの?どこか痛いの?お父さんとお母さんはいないの?ってさ。」

「ふぅん。」

「俺はあんなやつお父さんじゃない だから本当のお父さんが迎えに来るのを待ってるんだって美月に言った。そしたら…。」


宮川はまるで愛おしい物を見るように自分の手を見つめていた。

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