白い月〜destiny〜
今日は寒いが風もなく 比較的穏やかな日だった。


僕は横に並んで歩く宮川に言った。

「宮川。さっきの答えだけど…。もし宮川が美月を好きだったらって…。」

「うん?」

宮川は足を止めず前を向いたままだった。


「やっぱり美月は渡せないよ。誰にもね。」


宮川は立ち止まり僕をちらっと見た。

「当たり前だ。」

そう言うと 僕の頭を軽く鞄でたたいて また歩き出したのだった。
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