白い月〜destiny〜
朝食を食べる気にはなれず とりあえずコーヒーを入れることにした。

コポコポという音が 少し私を落ち着かせた。

窓を開けると冷たい風が吹き込んできて テーブルの上に置いた紙がヒラリと落ちた。


母の居場所が書いてある紙。


もう何度も見たから頭の中に入っているけど…。

私はそれを折りたたむと 大切に手帳の中に挟んだ。


まさかこんなに近くにいるなんて考えもしなかった。

街ですれ違ってもおかしくないほど近い所に母は暮らしていたんだ。

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