白い月〜destiny〜
「千鶴先生!」

先生は庭の手入れをしていた。

「あぁ 美月ちゃん。ごめんなさいね 来てもらって。」

「いいえ。あの…少し手伝いましょうか?」

千鶴先生は優しい笑顔を見せた。

「いいのよ。すぐ終わるから。それより…渡したい物があると言ったでしょう。」

「はい。」


千鶴先生の渡したい物ってなんだろう…。


「中にあるから行ってごらんなさい。」

私がいつものドアを開けようとすると 千鶴先生が言った。


「あら。違うわよ。今日はそっちじゃなくて こっちのドアよ。」


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