白い月〜destiny〜
教会のドア?


ここには入口が二つある。

一つは先生と私達孤児がふだん生活する いわゆる家の入口。

もう一つは教会の入口で 礼拝や何かの行事がある時以外は鍵が閉められているのだ。

「いいんですか?入って。」

「いいのよ。今日は特別。早く行ってみなさい。」

千鶴先生は軽くウインクした。


いったい何があるというのか。

私は教会の大きくて重い扉に手をかけた。

力いっぱい押すと ギギィー…という音をたてて ゆっくりとその扉は開いた。

< 191 / 374 >

この作品をシェア

pagetop