白い月〜destiny〜
優がここにいる理由なんて 今の私にはどうでもよかった。


「優!」


私は走り寄ると優の胸に飛び込んだ。

「ごめん。ごめんね美月。」

優はしっかりと私を抱きとめると その両腕で私を優しく包んだ。

私は優の指先にまで力がこもっているのを感じた。

強い自分になるまで優と会わないという私の決心は 今ここで もろくも崩れ去ってしまったのだった。




会いたかった。


会いたかった。


優に会いたかったよ。

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