白い月〜destiny〜
「こちらへどうぞ。」

お手伝いさんだろうか。

優しそうな…千鶴先生のような雰囲気を持つ人だった。

応接室と思われる部屋には高級そうなソファーやテーブル 棚にはピカピカに磨き上げられたグラスがずらりと並び壁には薔薇の花束を持って微笑む女性の肖像画が掛けてあった。

キレイな人…。

その女性に見とれていると 奥の扉が開いて 50歳位の女性が入ってきた。

美しいがどこか冷たい印象を持つその女性は 私を見ると口を開いた。

「大きくなったわね。美月…さんとおっしゃるのかしら。」

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