白い月〜destiny〜
「もしかして…もしかしてあなたが…?」


その女性は私をじっと見据えたまま言った。

「そう。私があなたを産んだのよ。」


私の心臓はまるで早鐘のように動いていた。


「じゃあ…あなたが私の…お母さん…。」

その女性はニッコリとして言った。

「一目見てすぐにわかったわ。あなたは…あなたの父親によく似てる。」

「私のお父さんに…?」


私は母の笑顔を見て 安心したのか急に涙が溢れてきた。

母に会えた幸せで胸がいっぱいになったのだ。



次に母が口を開くまでは…。


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