白い月〜destiny〜
「美月さん。あなたを見ているとね。思い出すの。あなたの父親を…あの汚らわしい男をね。」


え?

今なんて…?


「本当はこんな話したくないのよ。思い出すだけで吐き気がしてくるから。」

私は今母が言っている事を理解できないでいた。

母の口はまるでスローモーションのようにゆっくりと動いて見えた。

母は私に対して軽蔑と憎悪の視線をあてている。

まるで汚い物を見るように。


母は言った。

「話してあげるわ。あの忌まわしい出来事を…。」


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