白い月〜destiny〜
僕と美月は傘を持っていなかったから ただひたすら この冷たい雨を全身に受けるしかなかった。

ずぶ濡れになっても。

指先が氷のように冷えても。


ただ…。

お互いの温もりだけを求めて抱き合っていた。


僕が美月にできる事は その胸の痛みを半分分けてもらう事…それだけだったから。

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