白い月〜destiny〜
美月の涙は 雨の雫と一緒になり頬をつたって地面に落ちる。

いくつも。

いくつも。

透明な…美月の心の破片が地面に落ちていく。


僕は美月の頬にそっと口をつけて 涙を吸い取った。

「この涙だって美月の一部だ。僕は君の全てを愛しているから。君の胸の痛みを半分僕にあずけて。」

美月は何も言わずに 僕の胸に顔を押し当ててきた。

僕は再び美月をきつく抱きしめた。

美月の痛みが少しでも僕にうつりますように…。


そう願いながら。

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