白い月〜destiny〜
しばらくして美月は少し落ち着きを取り戻すと 僕を見て言った。

「ごめんね。優。優までびしょ濡れだね。」

「いいよ。もし風邪をひいたら美月に看病してもらうから。」

美月はいたずらっぽく言った。

「…高いよ?」

「えー?お金とるの?」

「優だから特別タダにしてあげる」そう言って美月は笑った。

まだ涙は止まっていなかったけど。


「帰ろう。みんな待ってるよ。」

僕は美月の手をひいて立った。

そしてびしょ濡れの僕達は みんなの待つ所へ帰るため 歩きだした。


< 212 / 374 >

この作品をシェア

pagetop