白い月〜destiny〜
「生きるために生まれたってことかしら。」

「生きるために…?」

「そう。生きるため。生きるって当たり前だけど とても難しいわ。悲しい事や苦しい事があっても 人は生きていかなきゃならない。」

「どんなに辛くても…?」

「そう。何があっても。」

僕はカップを持ったまま 口をつけずに聞いていた。」

「でもね。それは必ず乗り越えられるのよ。神様は 乗り越えられない試練は与えない。」


美月に与えられた試練…それはとても悲しい試練だった。


「それじゃ…美月も乗り越えられるんですね?」

「もちろんよ。」

千鶴先生は僕に微笑んだ。

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