白い月〜destiny〜
そう言った後 美月はちょっと黙って何かを考えているようだった。


「ねぇ 優?風邪は人にうつすと治るって言うよね?」

「看護師さんが そんな非科学的な事言っていいの?」

「いいの。だって…私は優の前では ただの美月だから。」

そう言うと 美月は僕の顔に自分の顔を近付けてきた。


僕は不思議とドキドキしなかった。


これは自然な事だというように…二人の魂が吸い寄せられるように。


それは僕達の磁石が固くくっついた瞬間だった。

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