白い月〜destiny〜
私はあの子が住んでいる場所を知っていたが 今まで一度も行ったことはなかった。

もっとも 近くの駅まで行って引き返したことは何度もあったが。


私とあの子 そして母。

みんな こんなに近くにいながら会えないでいるなんて。

それは…とても悲しくて不思議な運命。



私は優の横顔をじっと見た。

「なに?」

優は前を見たまま言った。

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