白い月〜destiny〜
「優。今日は休みでしょう。お父さんも休日出勤から早く帰ってくるそうだから…だから…久しぶりに三人で晩御飯食べましょう?」

母親は僕に気を使いつつそう言った。

「ごめん。今日は会社の同僚と約束があって。御飯はまた今度にするよ。」

僕も母親に気を使いながらそう答えた。


考えてみれば三人で食事をしたのは何ヶ月前の事だろう。

僕が家族というシチュエーションをあえて避けてきたのがその理由なのだが。


「そう…なの。優も友達との約束やら いろいろあって当然だものね。気をつけていってらっしゃい。」

母親は少し寂しそうな顔で微笑んだ。

僕は一瞬胸がチクリと痛んだが それを振り払うように勢い良く玄関のドアを開けた。


「行ってきます。多分遅くなるから。」

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