白い月〜destiny〜
席へ戻ると コースメニューの料理が運ばれてきた。

「わー おいしそう!」

嬉しそうな美月を見て この店に連れてきて良かったな…と思ったが 僕の心は依然晴れぬままだった。


この料理うまいのか?うまいんだろうな。

料理の味もよくわからなくなっていた。


美月は料理を食べながら僕をチラチラと見ていた。

「もしかして 具合悪いの?」

「いや。元気元気。」

「会社で嫌な事でもあったの?」

「まさか。順調順調。」


「じゃあ…どうしたの?」

僕は一瞬言葉に詰まったが笑って言った。

「こういう店 普段来ないから緊張してるのかな。」


「ふーん…。そっか。」

美月はそれ以上聞いては来なかったが 僕の様子を心配してるのは明らかだった。

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