白い月〜destiny〜
「そうか。そうだよね。」

僕はわざと明るく笑ってみせた。

「うん。そうだよ。」

美月は食後のコーヒーを飲みながら言った。


僕はポケットの中の物を渡さない事に決めた。


これを渡すことは…美月を遠くへ連れて行く事になる。

それに 出発は一ヵ月後だ。

出会ってまだ半年もたたない僕達には あまりにも時間が足りなかった。


僕は…。

美月を連れて行きたい。


でもそれは…美月のためを思うと言えない言葉だった。

< 284 / 374 >

この作品をシェア

pagetop