白い月〜destiny〜
「おいおい。どうした?いつもは優しい内山さんが。」

振り向くと宮川が腕組みをして立っていた。


「いや…つい。ごめん。」

「お前のファンが減るだけの事だろ。むしろ俺は嬉しいけど。」

「そんな嫌味言わないでくれよ。」


がっくりと肩を落とす僕を見て 宮川は笑った。

「まぁ…出張を前にして片付けなきゃならない仕事もあるし 神経質になっても無理はない。俺も去年そうだった。」


…どこがだよ。

全然普通だっただろ。


僕はその言葉は言わずに我慢して 宮川をラウンジに誘った。

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