白い月〜destiny〜
丸いテーブルに紙コップのコーヒーを置いて 僕と宮川は座った。

すると宮川の方から昨日の事を聞いてきた。

「昨日は美月と一緒だったんだろ?ニューヨーク行きの事 話したのか?」

僕は頭を振って言った。

「いや。話してない。というか…言えなかった。実は昨日 僕は美月にプロポーズするつもりだった。早すぎるかもしれないけど。」

「そうか。」

「でもあと一ヶ月しかないし 美月はここを離れるのは嫌だろうから。二年間も美月は僕を待っててくれるかな。」

「うーん…。まあ これは二人の問題だからな。でも…二年の間に美月を誰かに取られるって事はあるかもな。」

「えっ。」

僕は情けない声を出した。


宮川は僕の胸に人差し指をつけて言った。

「ボヤボヤしてんなよ。これからはお前が美月を守っていくんだからな。早すぎて何が悪い。幸せにする自信があるなら…連れてっちまえ。」

そう言うと紙コップを握り潰し 宮川は戻って行った。


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