白い月〜destiny〜
「もしかして…相原さんの恋人なのかな。」

そいつは僕に握手を求めてきた。

「はじめまして。外科医をしている内藤です。相原さんは優秀なナースで いつも助けてもらってますよ。」

自信満々の余裕の笑みだった。


僕も相手の手を握り返した。

「内山です。一応エンジニアをしてます。美月がいつもお世話になってます。」


僕とその外科医は数秒間相手から目をそらさなかった。


こいつ…美月の事が好きなんだな。

何の根拠もない僕の直感だけど。


「それじゃ 美月 行こう。」

「う うん。それじゃ内藤先生お疲れ様でした。」

「ああ。お疲れさん。」


僕は美月の手を引っ張るように歩いていった。

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