白い月〜destiny〜
「でも…それは優にとっていい事なんでしょ?」

「どうかな。仕事上ではいいかもしれないね。出世コースなんて言われてるから。」


美月は僕に笑顔を見せた。

「おめでとう 優。頑張ってきてね。」



頑張ってきてね…か。

やっぱり美月は ここにいる方を選ぶんだね。



「ありがとう 美月。頑張ってくるよ。」

僕も美月に笑顔を見せた。


「でも優は英語話せるのー?心配だなぁ。」

「失礼だな。日常会話くらいはできますからご心配なく。」

「優が英語話してるの見た事ないけど?」

「当たり前でしょ。ここは日本だよ?英語話してどうするの。ニューヨークに行ったらペラペラだからね。多分。」

「やっぱり不安…。」


きっと僕達は今 無理をして笑っている。

会えなくなる不安を打ち消すように。


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