白い月〜destiny〜
第1章

出会い

まずい。終電に乗り遅れる。

これを逃したらタクシーになるけど…今月ピンチだから。

私は駅の階段を猛ダッシュで駆け上がった。


ドンッ! 


階段を降りてくる若い男とぶつかった途端肩にかけた鞄がずり落ちて 中の荷物が散乱した。

男は荷物を拾おうともせず 小さく舌打ちしてさっさと行ってしまった。


なんなのよ。荷物のひとつくらい拾ってくれたっていいじゃない。

でも 今は急がなきゃ。


適当に散乱した物をかき集め さらに猛ダッシュ。

アナウンスと同時に電車のドアの前にたどり着く。


なんとか間に合った!

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