白い月〜destiny〜
一時間もしないうちに優は帰ってきた。

息を切らして バタバタと部屋に入ってきた。


「た ただいま…。」

「お帰り 優!もしかして 駅から走ってきたの?」

「うん。こんなに…走ったのは…中学の…野球部以来だよ…。」


優はドサリとソファーに座り込んだ。

額に汗をかいていたので 私はハンカチで拭いてあげた。


「あらあら。仲良しだこと。」

お義母さんがリビングに入ってきた。


「って…母さん!聞いてないよ!なんで美月が家にいるわけ?」

「別にいいじゃないの。私が美月さんに会いたかったんだから。」

お義母さんはすましている。

「もう…勘弁して。」

優は情けない声を出して ソファーに倒れた。

そんな優を見て 私とお義母さんはクスクスと笑った。



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