白い月〜destiny〜
僕は椅子から立ち上がると ベッドの端に座った。

「それじゃ…条件その一。」

美月の喉がゴクっと鳴った。

僕は笑い出しそうになるのをこらえて続けた。

「まず…美月には この病院を辞めてもらう。」

「えっ…そんな!」

「僕は別にこの病院を辞めろって言っただけで 看護師を辞めろとは言ってないよ。」

「でも…。」

「人の生命を預かる仕事の美月が さっきみたいな嘘をついていいの?美月は看護師失格だよ。別の病院で一からやり直しなさい。それができないようなら…。」

「わかった…。」

美月は目に涙をいっぱい溜めている。


僕って意地悪だね。

ごめんね 美月。


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